ふくしまこどもクリニック
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南大阪小児感染症フォーラム2016

 11月12日、「南大阪小児感染症フォーラム」に出席しました。
 毎年秋に開催されるのですが、こどもの感染症に関して日本の最先端を走る先生方にお越しいただき、講演の後には懇親会の場を設けてあり、日常診療における疑問や難問解決に一役どころか何役も買っていただく機会となっています。
 
 今年は、症例検討として市立貝塚病院の池田 優先生が経験された、コクサッキー脳炎の乳児例が報告されました。コクサッキーウイルス感染症そのものは、小児科医であれば日常茶飯時、というくらい経験するありふれたものですが、なかには稀に脳炎・脳症を発症し、重篤な経過となることがあります。池田先生が経験された症例はまさにそのように重篤な経過をとったものであり、日常診療における小児感染症の多様性を肝に銘じるものとなりました。

 教育講演は、済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科の乾 あやの先生による「今なぜ、すべての子どもにB型肝炎ワクチンが必要なのか~定期接種後の課題~」と題した講演でした。
 乾先生は、日本の小児B型肝炎についてのリーダー的存在のおひとりで、日本ではめずらしい「小児肝臓消化器科」という専門科を済生会横浜市東部病院で率いていらっしゃいます。
 世界、日本のB型肝炎の現状、課題を、ユーモアと情熱あふれる語り口でお話しいただきました。先生のお話を含めて、小児B型肝炎の詳細は、当HP「ふくこど新聞」に掲載予定ですので、お楽しみに。

 特別講演は、長崎大学小児科学教室の森内 浩幸教授による「天災と流行病は忘れた頃にやって来る~備え、かつ正当にこわがるべし~」と題し、ワクチン予防医学を主軸に、ワクチン批判を展開する一部の社会風潮に対して、科学的に論理的に疑問を投げかけるものでした。
 座長を務められた近畿大学医学部小児科学教室の竹村 司教授が、「何か、こう、胸のつかえがすっと取れたような」と表現された、まさに留飲を下げた、スカッと気持ちイイ講演でした。

 フォーラム終了後の懇親会で、乾 あやの先生とお話しする機会がありました。共通の知人があり、その彼が「乾先生によろしく」とのことだったので、ご挨拶を申し上げたのですが、B型肝炎についての深く広い知識に感嘆し、ずいぶん長い時間お話をきかせていただきました。まいにちの診療、啓蒙活動に大きな刺激となりました。

 数日後、大きな封書が届きました。見ると、その乾先生からのもので、「B型肝炎についての資料です。お役に立てていただければ幸いです」との手紙を添えて、多くの資料が入っていました。
 非常にお忙しい先生のお手数に、頭が下がる思いでした。

 今年は参加されていなかった大阪市鶴見区磯川医院のいそっぴ先生!来年は「マイコプラズマオタク先生」にご講演をお願いする予定ですよ。堺市小児科八木医院の八木和郎先生の提案に、僕が「それがいい、それがいい」と賛同して、世話人会で了承されました。是非またご参加を。東大阪市高丘医院の高丘先生も、豊中市キッズクリニックやまもとの山清先生も、奈良市Mキッズクリニックの坊主先生も、みんな来てね。

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